2010年06月07日
今春の「Phalaris系×4回」のGI連対馬+α【オオハシ】
某中島理論をかじっているblandfordさんや私は、4代血統構成(父、母父、祖母父、曾祖母父)がPhalaris(1913)系ばかり4回連続で配されている馬を、「うーん、どうでしょう」と斜に構えて見てしまう傾向にあります。
しかし、今春はこの「Phalaris系×4回」の配合馬たちがJRAGIレースでバンバン連対を果たしています。以下の表にまとめておきます。
| レース名 | 着順 |
馬名 (生年月日) [F No.] |
母の 何番仔? |
4代血統構成 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 | ||||
| 皐月賞 | 2着 |
ヒルノダムール (2007.5.20) [4-I] |
2番仔 (2連産目) |
★マンハッタンカフェ | ラムタラ | L'Emigrant | Brigadier Gerard |
| 天皇賞・春 | 1着 |
ジャガーメイル (2005.5.8) [1-W] |
7番仔 (4連産目) |
ジャングルポケット | サンデーサイレンス | ノーザンテースト | ★First Landing |
|
ヴィクトリア マイル |
2着 |
ヒカルアマランサス (2006.1.24) [16-D] |
2番仔+ (不受胎後) |
アグネスタキオン | ★A.P. Indy | Caerleon | Top Ville |
| 優駿牝馬 |
1着 (同着) |
サンテミリオン (2007.1.30) [16-G] |
6番仔+ (3連産目) |
ゼンノロブロイ | ラストタイクーン | Garde Royale | Sea Break |
| 東京優駿 | 2着 |
ローズキングダム (2007.5.10) [1-W] |
3番仔 (3連産目) |
キングカメハメハ | サンデーサイレンス | Shirley Heights | Lyphard |
| 安田記念 | 1着 |
ショウワモダン (2004.3.31) [10-A] |
6番仔 (3連産目) |
★エアジハード | トニービン | エルセンタウロ | Never Bend |
これまでの10レースのうち、6レースで連対を果たしています。パッと見て気付くのは、やはり「ショウワモダン以外の5頭はサンデーサイレンスの血を持っている」ということですね。20世紀末の革命種牡馬サンデーサイレンス(1986.3.25。以下、SS)の血は、Phalaris系×4回の配合もへったくれも関係無しにしてしまうのでしょうか(^_^;)
ショウワモダン。彼はキャリア39戦目にして初めてのGI挑戦でしたが、「別路線からのチャレンジャー」、「2連勝という上り調子」の後押しもあり、見事戴冠となりました。サクラユタカオー(1982.4.29)、エアジハード(1995.4.9)、ショウワモダンと父仔3代の府中GI制覇、父仔2代の安田記念制覇。そして母父トニービン(1983.4.7)とくれば、本来は東京得意の血統です。さて、長じてその地力の確かさを見せ付けるのは、実はサクラユタカオーラインの真骨頂でもあります。ともすれば、スピードに長けた父系は早熟と思われる向きがあると思います。しかし、この系統は、むしろ齢重ねてそのスピードを確かなものにする印象があります。Princely Gift(1951)~テスコボーイ(1963)の直父系は、世界でも日本だけで受け継がれているドメスティックブラッド。その名も確かに「昭和を偲んで」ショウワモダン、父系継承を、なんとか果たして欲しいものです。
また、気が付けば、ショウワモダンの父エアジハードは、後藤浩輝騎手の師匠である伊藤正徳調教師の管理馬でしたね。エアジハードが活躍していた折、後藤騎手は、かの木刀事件の只中でした。事件がなければ、師匠とは若干疎遠になっていた時期ではありましたが、もしかしたら、父仔2代の騎乗になっていたかも知れませんね。エアジハードは栗毛が美しく、速くて強い馬でした。3歳秋に1400mだった富士S(GIII)を勝ち、4歳春に谷川岳(OP)S2着、京王杯SC(GII)2着とした後に蛯名正義騎手に乗り替わっての安田記念。グラスワンダー(1995.2.18)を外からカッチリ差し切ったのですから、強かった。安田記念からぶっつけで挑んだ天皇賞・秋(GI)も0秒2差の3着。そして、悠然と挑んだマイルCS(GI)は当然1番人気での快勝。かつて、blandfordさんが取材された「優駿」の記事を拝読しましたが、エアジハード、その素養の高さは生産場である社台ファームでも指折りの存在だったんですね。社台の調教主任さんが名を挙げられた比較の対象が、「バブルガムフェローかダンスインザダークか」。シャダイアイバー(1979.2.23)の孫はエリートだったのでした。
さて、blandfordさんの記事で後藤騎手とアドマイヤコジーン(1996.4.8)について触れられていました。思えば8年前も、後藤騎手はピンクの帽子でしたし、2着に連れてきたのもGI2着経験が複数回の実績馬ダンツフレーム(1998.4.19)。……今年も同じようなことが起こったのでしょうか(^_^;)。また、アドマイヤコジーンについて、追加で記しておくと、
- 「父Cozzene×母父ノーザンテースト」の組み合わせは、恐らく、世界でアドマイヤコジーンただ1頭
- アドマイヤコジーンは母アドマイヤマカディの初仔
の2点を挙げておきます。遠隔地交配による極少の組み合わせは同系交配であったとしても活力を生み、そして母の初仔が更なる活力を与える。アドマイヤコジーンの配合を考えられたのは橋田満調教師ということですが、Cozzene(1980.5.8)の種付け料や輸送費など諸々の経費を合算しても、SSを種付けするよりは安いという計算もあったそうです。サスガと思いました。
「えー、じゃあ今年のショウワモダンは?」。強いて挙げるならば、中島理論的には父エアジハードが満8歳時の0交配であるということ。また、↓でも記しますが、非SSというところでしょうか。
*
後出しジャンケンのようで心苦しいのですけれど、今年の安田記念は友人に「ショウワモダンとスーパーホーネット」と伝えていまして、友人はその言葉を信用してくれて、馬連の万馬券をゲットしたとか。……ええ、私は馬券を買っていません(笑)。では、何故ショウワモダンとスーパーホーネットと伝えたのか。それは、「両馬共にSSの血を持っていない」からに他なりません。Phalaris系×4回の配合を気にするよりも、SSを持っていないという点に比重を置くほうが、むしろ、現在の古馬の牡牝混合GIに関しては、良い結果を導けるのではないかと改めて考えたからです。
たまたまかどうかはそれぞれの判断に委ねられますが、このブログでも何度か書いていますように、「SS2世種牡馬の牡馬産駒は、母が非連産の仔でなければ古馬GIを勝てない」というジンクスが、未だにJRAGIには付きまとっています。これは、換言すれば、
- SSを持っていない牡馬が、古馬GIを勝っている
- 1.に準じて、SSを直父系に持っていない牡馬が、古馬GIを勝っている
- SSを直父系に持っていながら古馬GIに勝っている牡馬は、母が非連産の仔
となります。「どいつもこいつも、おとっつぁんがSSの子孫ばかりで、このままでは群れの統領がいなくなるわい」と、古牡馬たちが危機感を覚えているのかどうかは分かりません。しかし、レースの結果はそのような答えになっています。顕著になり始めたのは、ディープインパクト(2002.3.25)がターフから姿を消した2007年以降ですね。本当はざっとまとめた一覧表をアップできればと思いますが、長くなるのでnetkeiba.comあたりで条件を抽出して検索してみてください。あいすみませんm(_ _)m
牡馬が統領性を得る為には他の馬が持たない血を持つ。現行の日本の競馬でいえば、大多数はSSを持っている。ならば、SSを持っていない牡馬をチョイスする。私の古牡馬の狙い方については、ただそれだけです。
まま、こんなことを大まじめに書いた途端、宝塚記念(GI)でロジユニヴァース(2006.3.11)にガツンと勝たれたりすると、立つ瀬がなくなる訳ですが(わはは)
では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。
*
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投稿: オオハシ 日時: 2010年06月07日 15:15
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日時: 2012年02月09日 20:49
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日時: 2012年02月11日 01:18