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2009年01月07日

親子3代【blandford】

柏木集保さんもnetkeibaのコラムで書いておられるが、タマモサポートが京都金杯を勝って、これで「親子3代金杯制覇」という珍しい記録となった。

祖父のシービークロスは、1979年、4歳(現年齢表記)の正月に、金杯(東)を勝った。この年は東京の2000mで行われて、勝ち時計が2:00.6という、当時としてはなかなかになかなかに優秀なもの。
しかしこのシービークロスという馬は、ずいぶん人気のあった馬らしく、いま改めて戦歴を振り返ると、「よくこれで種牡馬になれたものだな」という成績しか残していない。重賞勝ちは、金杯(東)、毎日王冠、目黒記念の3つだけで、今の基準でいうとG3を1勝、G2を2勝。通算成績は、27戦7勝という、ごく普通のオープン馬だった。

まあ、当時は天皇賞が春も秋も3200mだった時代で、いまのようにスピードが重視されるレース体系ではなかったから、いかにも「中距離の追い込み馬」だったシービークロスは、時代に合わなかったのかもしれない。
・・・とは言うものの、しかしやはりこれぐらいの戦歴では、今なら間違いなく種牡馬にはなれないだろう。よほど血統的な価値があると評価を受ければ、戦歴度外視でシンジケートが組まれる場合もなくもないが、まずG2を2勝程度では難しい。
その、「あんまりたいしたことなかった」シービークロスが、あろうことか、近代競馬の最強馬の一頭に数えられる、タマモクロスを出した。
タマモクロスの底知れない強さは、実際にレースを見た人じゃないと分からないかもしれない。
走るフォームは、弾力性の塊で、まるで猟犬のよう。細い首をグイッと前に突き出して全力疾走に入ると、ほとんどの馬が、タマモクロスの前ではあっという間に色あせて見えた。

普通のオープン馬(しかも内国産馬)から、競馬史に残る最強クラスのサラブレッドが誕生するあたりが、血統の奥の深さだな、とつくづく思う。

タマモクロスは、競馬ファンの何割かが「これはもしかして本当に、べらぼうに強いのかもしれないね??」と、まだ疑問符つきで思っていたときに、金杯・西(当時芝2000m)を勝利した。なぜまだ疑問符つきの人がいたかというと、タマモクロスは、400万下(現在500万下)の特別を勝ったあと、いきなり重賞(鳴尾記念・当時芝2500m)に挑戦して、ぶっちぎりの大圧勝を演じた馬だったからだ。
タマモクロスは金杯(西)で4連勝目。この勝利で、大半の競馬ファンから、「疑問符」は消えた。「やっぱこれは超絶じゃん!」そしてよく知られているとおり、タマモクロスはこのあと、阪神大賞典、天皇賞(春)、宝塚記念、天皇賞(秋)と、怒涛の8連勝を飾ることになった。

シービークロスの産駒は、ほかにもホワイトストーンとかシノクロスとかが重賞を勝ったけど、いまその血を伝えるのはタマモクロスだけ。

そのタマモクロスも2003年に死亡し、今回の京都金杯を勝ったタマモサポートが、ほとんど最後の世代の産駒と言っていい。タマモクロスは2003年の4月に死亡しているので、その年に種付けをしているのかもしれないけど、重賞戦線で活躍する産駒は2003年産のタマモサポートが最後だろう。

タマモクロス産駒ではマイソールサウンドが2004年の京都金杯を勝っているから、2度目の「親子3代金杯制覇」という、本当に珍しい記録達成だった。こちらは種牡馬になっていないので、シービークロスの血を伝える馬は、いまのところもういない。

シービークロスが唯一出した大物がタマモクロス。
そして、タマモクロスが唯一出した大物が、タマモサポート・・・と、もしそうなると、血統の不思議はさらに面白いのだが、まあ、そううまくはいかないかもしれない。
しかしタマモサポートはもともとが東京のマイル専用のような馬なので、このまま順調にいけば、もしかして、安田記念でも侮れない存在になるかもしれない、と、ほんの少し期待を抱かせるレース内容だったと思う。

もともとシービークロス自体が、「あまりたいしたことない」戦歴で種牡馬になったのだし、タマモサポートも、あともう一つか二つ重賞を勝てば、いっそ種牡馬入りしてもいいんじゃないか、と、生産に関係のない外野としてはちょっと思ってしまう。

タマモサポートは、京都金杯の勝利で、通算成績が27戦6勝となった。奇しくも、祖父シービークロスの通算成績(27戦7勝)と似た数字となる。
祖父ほどのインパクトはないが、なんとなく戦歴では並んできたタマモサポート、これからが本格化の時期のような気がする。

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日時: 2009年01月07日 11:56
カテゴリー: F 競馬雑談